ELSS Joint

近年、道路橋RC床版の劣化が進んでいることから、取替工事の事例が増えています。

取替用の床版としてはプレキャストPC床版をループ継手で接合する工法が一般的ですが、継手部における配筋の特徴から、施工に多くの時間を要するほか、一度に複数の技能工を要するといった課題があります。

ELSS Jointは床版本体コンクリートより柔らかい充填材料のみで接合することで、安全性・耐久性・走行性・経済性を損ねることなく、ループ継手の課題を解決した、全く新しい床版接合工法です。

ELSS Jointの特徴

ELSS Jointは、鋼桁や地覆・壁高欄などで車両進行方向に連続支持されているという床版特有の構造特性を生かし、 車両進行方向の継手間隔ごとに剛性の低い充填接合部を設けることで、床版構造を車両進行方向と幅員方向の剛性が異なる異方性版にするという点に特徴があります。

異方性版構造とすることで、剛性の低くなる車両進行方向の曲げモーメントを軽減することができ、接合構造を大幅に簡素化できます。

一方で、床版の幅員方向の曲げモーメントは従来床版に比べ増加しますが、 プレキャスト床版の補強材であるPC鋼材本数を増すことで床版としての必要耐力を確保できます。

このような従来にない新しいコンセプトを持ったプレキャスト床版の接合技術により、 床版更新時の交通規制期間短縮や施工合理化を図ることが可能となります。

ELSS Joint導入の効果

1 すぐれた生産性

プレキャスト床版から接合用鉄筋が突出しない構造であり、プレキャスト部材の型枠を簡素化でき、 かつ配筋も容易であるため、工場製品としての生産性に優れています。

さらに、現地でのプレキャスト床版の据付作業も鉄筋がないため容易です。

また、継手部の目地幅が狭いため接合部の型枠構造を簡素化できるうえ、配筋作業も不要であり、接合部の施工における労務工数を削減できます。

2 すぐれた施工性

継目部に鉄筋を配置しないためパネル幅自体を運搬可能な最大幅(2.5m)程度まで広げることができることから、 プレキャスト床版の必要枚数を標準的なループ継手によるプレキャスト床版工法の85%程度まで減らすことが可能になります。

これにより、プレキャスト床版の架設日数を短縮することが可能となり、現地施工の工程短縮が図れます。

3 すぐれた維持管理性

現行の鉄筋コンクリート(RC)床版と同等以上(100年相当以上)の疲労耐久性を有していることを輪荷重走行試験により確認しています。

また、繰り返し荷重に対して継手部が先行して破壊する機構であるため、床版本体の損傷を最小限に抑えることができます。

さらに、継手部の再施工、損傷した床版のみの取替も可能です。

4 すぐれた品質

継手幅は25mm程度と狭いことから、他の継手構造と比較して高品質である工場製品比率が高くなり、品質に優れる床版が構築できます。

橋梁床版更新における課題点を
新発想で解決します


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